ひとを
だまし続ける
魔を前に
一人の神が
云いました
「善人は騙してはならない
善人は貶めてはならない
善人は厄災にまみれさせてはならない」
声は神呪となって
くるくる流れる
:
「お言葉ですが
なぜそうせねばならないのですか」
ひとりのものが
問いかけました
神は伝えました
「善につとめるものは
滅多に産まれないからだ
また、滅多に産まれないのに
世をすすませ
より、命が善く過ごせるように
していくからだ」
魔たちは
これに従いました
:
ピラミッドっぽいですね
ごく少数の善につとめるひと
わりといるわりと善なひと
ふつうのひと
わりと悪な人
悪に尽くす人……
:
神は
悪い心持ちを、守れません
どんなに手を差し伸べても
心がつながらないんですよ
:
森羅万象
祟りもまた
その巡りの中のひとつといいます
:
怒られてやめるようなら
祟られませんよ
轍を踏んでようやくわかる
己の背中……