花の星の創作BLOG

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信じてみればいい



完全な善意というのは
出会い難いもので
あるにはあるのですが
希少な宝石のように
そうそう、ありません

そんなものをあてにしたり
無意識にもとめたりは
ただ、ただ
ナンセンスになる

宝くじ
生活をたよるために
毎回何万をつぎこんで
当たるのを待つような
そんなナンセンスさです

……

たとえば、
相手を
知りたければ
完全に疑うか
完全に信頼するか
してみるといいのです

しかし一心で集約された心というのは
完全な善意とおなじく
希少なもので
人間ですと
なかなかもちえません

集中力は
研磨のように人を光らせますが
一心一色、という極地こそが
もしかしたら
たしかな高みだから
なのかもしれません

……

完全な疑いも
完全な信頼も
炙り出しをもたらします

すなわち、一色の一心は
ナニカを前にして
背景に敷かれた単色のように
相手のみを切り抜くようです

景色(情景という情報)に
誤魔化されない……

……

私は疑う、ということも
信頼、ということも
ある種の能力であり
心理ではないのではないかと
思っています

いわば心の力でしょうか
信頼している、とか
疑ってみてます、とか
言葉だけなら
だれでもしているのですが

信頼を、している、を
しているひとも
疑いを、もってみる、を
しているひとも

そうそうは見かけません

腹底の心力のようなことは
いつも、むしろ
言葉には
なりがたいようです

……

なんにせよ
たいていは心は、たくさんの色を持つ
時々によりかわりながら
一刻一刻
たくさんたくさん
あるわけで

たくさんあるうちの
なにかがあらわれて
情景の模様を描いている

……

人間の、己のも、ひとのも
心を単色に見積もるのは
なにかとてもそぐわない

いけん、は
いつも単色めいて
積み重なりますが

つねに、だれでも
落語でいうなら、ふら
心理幅を持つのではないでしょうか

私はそれこそ
希望に思えますから

人間の心は、表からは
どう見えても
たいてい、単色ではないこと
忘れないようにしています